昇給を望む看護師の苦労

 医療現場で働いている看護師は、比較的高い年収を手に入れています。特に女性の場合には、他の業種を含めて考えても高年収の職業として知られていますが、あくまで平均的に見ればの話だということになります。看護師は、残業手当などの各種手当が充実していることによって年収が引き上げられており、働き始めた頃から収入が高いというイメージがあります。

 しかし、長く看護師として働き、昇給を望む人にとっては苦労が絶えない実情があります。看護師は昇進できる機会はあまりないため、大きく給与が上がることがほとんどありません。勤続年数が長くなれば少しずつ年収が高くなるのは確かですが、他の仕事をしている同世代の人にいつの間にか年収で凌駕されてしまうことも少なくありません。それに負けまいとすると、キャリアを積んで転職による待遇の向上を目指すか、資格手当をもらえるように該当する資格を取得するかという方法を選ばなければならず、苦労をしてようやく年収を上げることができるのです。

 しかも、看護師が出世して昇給を実現するのは狭き門であり、なかなか達成できるわけではないのが医療現場の特徴であり、ほんの一握りの中に入れるように努力する必要があります。そのため、昇給を望んでいる看護師にとっては、夜勤を積極的にこなしたり、認定看護師を目指すなど、日々の努力が欠かせず、自分を磨くのに精一杯になる人もいるようです。医療の現場で働く看護師にとって、給料の伸び悩みは嘆かわしいことですが、解決するためには苦労を厭わずに自分で勝ち取る必要があるのが今の看護師の給与事情なのです。